プロジェクト紹介 Project introduction
しきのSDGsプロジェクト~私たちがミニ生物多様性センターになる~
- チーム名「Flowers&Seeds」
- ◎学校名/団体名「奈良県立磯城野高等学校・京都教育大学・大阪産業大学・摂南大学・大阪スクールオブミュージック専門学校 奈良県立磯城野高等学校Flowers&Seeds Flowers(在校生・3年と2年)/Seeds(大学等2回生と1回生)」
◎メンバー名「吉田 宏 / Flowers:乾 洸樹/中村 小春/山森 充貴/松永 美宙/八尾谷 朱音/谷 琴羽/日下 瑞己/坂井 洸太/光川 昌希/安井 彩羽 / Seeds:山森 菜緒(京都教育大学)/尾崎 正法(大阪産業大学)/榊本 千紗(摂南大学)/山森 菜那(大阪スクールオブミュージック専門学校)/大西 希宝(京都教育大学)」
博物館がない奈良で、私たちの高校が博物館になる
私たち奈良県立磯城野高等学校Flowers&Seedsです。Flowersは高校生、Seedsは卒業生のチームです。Seedsは卒業後も活動を継続したいという思いで集まってできたチームです。ご存知のとおり、奈良県には県立の自然史博物館や生物多様性センターがありません。いわゆる自然系の博物館は田原本町の隣の橿原市にある橿原市昆虫館だけです。奈良県全体を網羅するものではありません。そこで、私たちは「生物多様性の主流化」つまり「生物多様性を多くの人に知ってもらう」ために、私たちの学校が地域の「ミニ生物多様性センターになる」ことを目標に様々な活動を行っています。卒業生チームSeedsはTeachingAssistantとしての高校生チームFlowersのサポートが中心ですが、昨年からは共に新たな活動も始めています。私たちは、校内の生き物調べを軸に活動を広げてきました。この3月に5年間の調査を終え、奈良県立磯城野高等学校野生生物目録を完成したところです。770種を超える野生生物の中に28種もの奈良県レッドリスト記載種も確認したところです。意外と多い生物相、そしてレッドリスト記載種だったこともあり、今は、学校のある田原本町の生物多様性のPRを行っています。

絶滅危惧種を、守る
生物多様性のPR活動としては、バタフライガーデンの設置と普及を行い、蝶で生物多様性をPRしたり、校内に「田んぼの水族館」を設置したりしています。また、県内各地で開かれる生き物調べにサポーターとして参加し、ここでの経験を活かし、今は校内で生き物観察会も開いています。もちろん、それぞれの生き物について調査や研究も行っています。陸貝では、奈良県絶滅危惧種のナガオカモノラガイの県下最大級の生息地が校内にあることから、その生活史を調べています。また、これとよく似たケショウオカモノアラガイという陸貝が見つかり、沖縄県、大阪府に次ぐ全国3カ所目の発見となりました。また植物では、挿し木ができないというナラノヤエザクラの挿し木に挑戦しています。発根までは何とかできるようになってきましたが、芽を出すところまではまだできていません。また、最近では、かつて紀伊半島の山地で栽培されていた雑穀の一種であるシコクビエの系統保存を行い、この栽培復活に向け、研究を始めています。
自然共生サイト登録とネイチャーポジティブへの貢献
今後は、学校の農場をフィールドとし、ここを拠点に生物多様性の普及活動を進めていくことから、農場を自然共生サイトに登録したいと考えています。奈良盆地の中心から、ネイチャーポジティブを進めていきます。