プロジェクト紹介 Project introduction
広島平和ミツバチプロジェクト
~平和都市広島を都市養蜂で守り、次世代へ part2~
- チーム名「team green」
- ◎学校名/団体名「広島県立世羅高等学校 農業経営科 3年」
◎メンバー名「宮本紀子/白土陽麻/長瀬優心/横田蓮/中谷龍人」
平和の象徴「平和大通り」を守るために
広島は世界で初めて原子爆弾による被害を受け、焼け野原となりました。もう一度、緑豊かな町にしようと「供木運動」が始まり、全国から樹木6千本が寄付されました。現在「平和大通り」は緑豊かな木々が茂る、復興と平和の象徴として大切に守られてきましたが、寿命や病気のため倒木事故が起きています。広島市が樹木の管理を行っていますが、維持管理には、お金が必要です。平和大通りの活性化と景観を守るため「中一区187号線活性化委員会」で都市養蜂を行いたいが、技術が無いので協力してほしいと世羅高校農業経営科に依頼を受けました。高校では、世羅町の特産物である梨の受粉交配の手伝いとしてミツバチ飼育を行っています。学んだことを活かしたいと考え、喜んで協力することになりました。
安全な飼育管理・蜂蜜生産・地域活性化の実践
① 養蜂GAPを取り入れた安心安全な飼育管理を目指す。
GAPとは、農産物の安全を確保し、より良い農業経営を実現するために、農業生産において、食品安全だけでなく、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みです。養蜂に特化した「養蜂GAP」が作られ、私たちは作成監修を行った高安和夫さんの講習を受け、ミツバチと人間双方にとって安全な養蜂を実践するために飼育管理方法を考え、実践しました。
② 蜂蜜生産を行う。
日本では巣箱1つから採れる蜂蜜の年間平均量は、9~27kgと推定されていますが、2か月間で4つの巣箱から200kg、1箱50kgと目標としました。目標量を多くしたのは平和大通りには共木運動のおかげで豊かな蜜源植物があるからです。短期間での採蜜方法は女王蜂を隔離する方法を取り入れました。卵を産むことを制限すると、育児をしないかわりに蜂蜜生産にまわる働き蜂が増え、短期間でも蜂蜜を多く集めるのです。その効果は高く、5月30日、6月3日は、50kg採蜜でき、目標の200kgの蜂蜜を採取することができました。
③ 養蜂を地域活性化に活用する。
活動が報道され、活動に協力したいと要望があり、採蜜ボランティアを募集したところ、100名集まり、活動に興味関心を持つ方が多くいることに感動しました。広島市中区役所長さんへ活動報告をさせていただき、都市養蜂から得られる収入を街路樹保全に活用していきたいと伝え、協力していただけることになりました。
ミツバチが育む平和
この取り組みは、SDGsの11番と15番に当てはまっており、環境保全活動を行うことができました。また、平和大通りの大切さを学ぶ平和教育にもつながり16番にもあてはまります。今年は戦後80年目の節目の年です。次の世代にも平和の大切さを語り継ぐためにも、平和大通りの多くの方の思いのこもった樹木を守り、世界に平和を発信し続けるためにも、農業高校生だからこそできることがあることに誇りとやりがいを感じ、プロジェクトを継続していきます。