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プロジェクト紹介 Project introduction

トキワバイカツツジの光環境の解析と生育条件の探求

チーム名「トキワバイカ班」
◎学校名/団体名「愛媛県立宇和島東高等学校生物部」
◎メンバー名「中尾 力広/竹内 茉桜/谷口 真菜/藥師寺 加奈/高田 将伍/村上 綾菜/柳川 裕太」

宇和島だけの宝を未来へ

トキワバイカツツジは、宇和島市の固有種で絶滅危惧種に指定されている。4年前には、森林管理署の方々や、宇和島市の団体であるトキワバイカプロジェクトの方々とともに、近くにある南楽園(日本庭園)という場所にトキワバイカツツジの植樹を行ったり、地域の子供たちに絵本の読み聞かせを行ったりした。トキワバイカツツジは、この世界中で宇和島市津島町にしか生息しておらず、地元の学校に通う自分たちで保護できないかと考え、その知名度向上に取り組んでいる。

宇和島だけの宝を未来へ

科学と地域の力で守る宇和島の宝

宇和島市の固有種トキワバイカツツジの稚樹の生長には、その光環境が大きくかかわっていることが先行研究から分かっている。そのほか、これまでの活動等で、どの程度のスピードで成長するのかや訪花昆虫との関わりなどについても研究を継続してきた。昨年度は、本種の挿し木を行い、実験室で照度を変えながら生育させ、稚樹生育のための適切な照度について研究した。本年度は、現地の地形・照度・個体数に着目して、より詳細な現地調査を行い、実験室での挿し木実験との比較検証を行った。結果、現地の稚樹の分布から、本種の生育には、より適した照度があることが改めて検証された。本年度は現地の光環境や地形と個体数の関係についても調査している。本年、このような科学的な取組と併せて、「トキワ☆バイカプロジェクト(宇和島市)」と連携した”森林照度を維持するボランティア活動”が認められ、トキワバイカツツジは、「全国植樹祭えひめ2026、皇后陛下お手植え樹種」に選定された。これは、希少種保全に向けた大きな成果である。

光と土と命をつなぐ

光環境の保護、湿度や土壌との関係をさらに詳しく解明し、今ある生息地の保全活動や、挿し木などを通して本種の保存に向けた活動を継続したい。前述したように、「全国植樹祭えひめ2026、皇后陛下お手植え樹種」に選定されたことは、本当に意義深く、今後も誇りを持って活動を継続したい。