プロジェクト紹介 Project introduction
環境配慮型畜産で目指せ!! 美味しい牛肉生産!!
- チーム名「COW飼う’S」
- ◎学校名/団体名「青森県立三本木農業恵拓高等学校、3年生5名、2年生7名」
◎メンバー名 「中村 晴香/上澤未來/小野優良/水尻陽菜/村井柚奈/大槻沙紀/桑原瑠花/山本愛莉/伊藤ひより/沼田恭輔/松山煌生/森優斗」
「旨い」と「エコ」は、同じ牛舎にいる。
私達、動物科学科産業動物研究班COW飼う’Sは、三代目の3年生5名、四代目の2年生7名の計12名で活動しています。本研究チームは、飼料及び飼料生産に関する研究や保育園と定期的に交流を行い、食育活動を実践しています。現在は、メイン目標の「美味しい牛肉生産」の実現のため、黒毛和種に対して高オレイン酸ヒマワリ種子の給与試験やエコフィードを有効活用し、環境に配慮した牛肉生産に取り組んでいます。

醤油と酒の「搾りかす」は、未来の飼料だった
令和3年からヒマワリ種子の給与試験を行い、16頭中10頭が他県のブランド基準になっているオレイン酸55%以上の牛肉を生産することができています。また、ヒマワリを活用して、保育園との交流を行っています。園児が育てたヒマワリの種を本校の黒毛和種に給与し、その牛の牛肉を給食として活用していただき、食育活動を展開しています。
現在、世界情勢や円安の影響から、飼料価格が高騰し、畜産農家の経営に大きなダメージを与えています。現在の飼料価格は2020年の1.6倍に当たる1t当たり約9万円になっています。私達は、現状の課題を解決するために、エコフィードの有効活用に乗り出しました。エコフィードとは、食品製造業等から出る食品残渣や産業廃棄物を家畜の餌として再利用する取組で、私達は醤油粕と酒粕の活用に取り組んでいます。
これらのエコフィードは、産業廃棄物として企業がお金を払って焼却処分していますが、家畜の飼料として有効活用することで、企業の廃棄料金と畜産農家の飼料費をお互い軽減できると考えました。協力して頂いてる地元企業では、毎月5tの醤油粕を廃棄していると聞き、飼料として活用した場合の持続性も考慮できます。また、焼却時に発生する炭素を家畜の成長に有効利用し、環境にも配慮した畜産を実現できると考え、研究に取り組むことにしました。
「捨てられる炭素」を、「最高のロース芯」に
今後の取り組みとして、出荷成績を積み重ねていき、研究データをまとめていきます。特に、本校の牛肉は、ロース芯面積が小さいことが課題となっているので、育成期に酒粕を与えた効果を、検証していきたいです。
最後に醤油粕や酒粕は、活用されなかった場合、塩分やアルコールを含むことから、青森県では焼却処分され、大気中に炭素を大量に放出してします。この2つの取り組みで、炭素を牛のエネルギーとして活用し、ロース芯を大きくした充実した枝肉と美味しい牛肉を作り、地域にこの技術を広めていくことが最終目標です。