プロジェクト紹介 Project introduction
リジェネラティブ農業の実践!~マメ科緑肥作物を用いた不耕起栽培~
- チーム名「有機農業コース RO分会」
- ◎学校名/団体名「北海道真狩高等学校 有機農業コース2.3年生」
◎メンバー名「利根川 元希/宮崎 鈴々/山崎 遥斗/小川 心愛/室井 奏太/岡元 愛莉/佐藤 光祐」
リジェネラティブ農業から広がる未来
真狩高校は、北海道で唯一「有機農業」を専門的に学べるコースがある農業高校です。チーム名のRO分会は、Rは「リジェネラティブ」、Oは「オーガニック」を意味しており、この農業について研究するチームということで、今年度より改名しました。

土を耕さずに、地球を耕す、育てる未来
近年、農業が環境汚染の一因になっているため、「環境に配慮した持続可能な農業」が求められており、国内においても「みどりの食料システム戦略」を公表したことで、国策として「有機農業」が推進されるようになりました。しかし現在の有機農業は、除草作業や病害虫の防除など多大な労力がかかってしまうため、北海道のような大規模農業では困難であるとされています。そこで私たちが注目したのは、「リジェネラティブ農業」です。この農業は「環境再生型農業」とも呼ばれており、カバークロップ(被覆作物)を活用した不耕起栽培を行うことによって、光合成によって吸収した炭素を土壌へ貯留し、CO2排出量を削減することができます。また、除草作業は、カバークロップがあることによって余計な雑草が生えないため手間が省かれ、病害虫の防除は、有用微生物群が優勢になることによって食害されることがなくなり、無農薬栽培が可能になります。
私たちは、カバークロップとして根粒菌が共生し、匍ふく性に優れるマメ科緑肥作物シロクローバーの「アバパール」を選択しました。また、圃場は耕すのではなく筋を切り、不耕起で栽培しました。
地球と食卓を守る農業へ
この農法を確立し、日本で普及できた場合、CO₂排出量の削減のみならず、みどりの食料システム戦略で目指す有機農業の耕地面積25%の達成が現実化し、「地球温暖化対策」と「食料生産」の両側面を同時に達成できるイノベーションが実現します。しかし、非常に難易度が高いことも事実です。そのため民間企業や研究機関の協力も得て、まずは地元農家さんに普及することを目標に取り組んでいきます。